隠れ糖尿病?
みなさん、こんにちは。
本日は糖尿病のお話です。歯医者なのに糖尿病?と思われるかもしれませんが、実は糖尿病は歯周病ととっても関りがある病気なのです。
糖尿病には2種類あり、免疫の働きによって起こるⅠ型糖尿病と、遺伝や生活習慣の乱れによって起こるⅡ型糖尿病があります。
糖尿病は、すい臓から出るホルモンであるインスリンが十分に働かないことで、血液中のブドウ糖が増えてしまう病気です。
それによって血管が傷つき、心臓病や失明・腎不全・足の壊死などさまざまな合併症を起こすことがある怖い病気です。
糖尿病を患っている方は歯周病になりやすく、また歯周病にかかることで糖尿病の治療(血糖コントロール)も悪影響があると言われています。
逆に歯周病の治療をすることで、血糖コントロールが改善するという報告も数多くされています。
歯周病治療は、ただ単に歯を失わないための治療でなく、全身の健康状態にも良い影響があるということですね。
さて、タイトルの「隠れ糖尿病」ですが、通常の健康診断では糖尿病かどうか見抜けないケースがあるとのことです。
通常は血液検査にて、空腹時の血糖値を調べることで糖尿病かどうかの検査を行いますが、空腹時の血糖値は正常でも、食後に血糖値が急上昇するいわゆる隠れ糖尿病の方がいらっしゃるそうです。空腹時血糖値が正常な方の約3割はこの隠れ糖尿病の体質を持っているとのことです。
血液中のHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を調べることで血糖コントロールがうまくいっているかどうかがわかるので、こちらの値を調べることが大事なようです。
糖尿病は一度かかると完治する病気ではなく、悪くならないよう上手にコントロールすることが大切といわれています。
この点は歯周病とまったく同じです。
お口の中はつねにむし歯菌や歯周病菌にさらされていて、無菌状態にすることはできません。つまり歯周病も完治、という言葉はありません。そのため、糖尿病も歯周病も、重篤な病気につながる前に早期発見・早期治療し、上手に付き合っていけると良いですね。